たまには実家に帰って両親に顔を見せてやろうかと思う。しかし、田舎というのは超退屈なのだ。本の2~3冊は持ってかないと間が持たない。今回の帰省では「ディズニー方式が会社を変える」を旅の友とすることにした。
JR上野駅から宇都宮線に乗る。幸い、上野発の列車なので席は座り放題だ。さっそく「ディズニー方式が会社を変える」を取り出し、本の中に没入するが、馬鹿な子供が私の周囲で嬌声をあげている。いや、嬌声などという生やさしいものではない。
ここは動物園か?と言いたくなるほどの野放しぶりだ。親が見ていない隙に「ディズニー方式が会社を変える」の表紙の角で奴らの眉間を思いっきりヒットしてやった。
夢に満ちた物語世界や独創的なキャラクターで長年、多くの人々を魅了し続けてきた一大ブランド企業、ディズニー。本書はその成功の秘訣を、同社が創業から実践してきたという10項目からなる「ディズニー方式」に求め、どの企業にも適用できるノウハウとして提示したものである。 ディズニーに深くかかわってきた経営コンサルタントの著者は、まず、「ディズニー方式」では、従業員全員が「夢を見る」ことや創造性を自由に発揮することができる環境、機会が保障されており、それが製品や組織のイノベーションをもたらす結果になっていると論じる。従業員自らが「夢を見る」ことが、夢の世界を生み出す源泉になっているというのはうなずけるところだ。 ディズニーといえばテーマパークの卓越した接客サービスでも知られる。著者は「ディズニー方式」では、従業員研修のために「大学」まで設置し、全員に来園者を「ゲスト」としてもてなすモットーや自らの役割や存在価値の認識を徹底させているとし、それがあの接客サービスを生んでいると論じる。一方、著者は多くの企業で「顧客第一主義」が名ばかりになるのは、リーダーシップの欠如に原因があると指摘する。企業変革がすべて経営トップの価値観や行動に帰すというのが、本書での一貫した見方である。 ほかにも、信念と原則、納入業者などとのパートナー関係、リスク、提携戦略といった「ディズニー方式」における各テーマを、エピソードや事例を交えながら論じている。ノウハウ部分には、独創的なアイデアを形にする方法が充実しており、企業に革新的な気風をもたらすのに役立つはずだ。(棚上 勉)
あまり目新しさがないような・・・
ディズニーでの法則がどんな企業でも当てはまるとして説明されているが、それほど目新しさがない法則なので、「ディズニー」らしさを解き明かしてくれると期待して読んだ私には、ちょっと不満でした。それだけ汎用的なビジネスセオリーってことかもしれませんが。

